A様のお母様は、A様の家の近くでひとり暮らしをされていました。
自立して生活できているといっても、お母様は90代。「なにかあったらどうしよう」とA様の精神的な負担が大きくなっていったそうです。
どのようにして施設探しをされたのか、A様にお話をお聞きしました。
■入居前にどんなことに困っていましたか?
母はひとり暮らしをしていて、わたしがほぼ毎日母のところへ通って身の回りのことを全部していました。
わたしも自分の家庭があるので、毎日となるとやはり大変で…。
それから母は自立していましたが、90代になり「今度なにかあったらどうしよう」という、わたしの精神的な負担が大きくなっていました。
「誰かと一緒に母をみてもらいたい」という気持ちが強くなったんですよ。 母自身は生活に全然困っていないんです、わたしが全部やっていますから。
だから、例えばデイサービスや介護サービスを利用しようかという話になったとしても「別にいらないわ」「他人が家に入ってくるのは嫌だわ」という感じで。
そうしてずっとわたしが母の家へ通っていたのですが、やっぱりこの先施設に入るにしても何か介護サービスを受けるにしても何もわからないので「どうしよう」と困っていました。
■そこで、どう行動されましたか?
まず知り合いに相談したところ「地域包括支援センターに聞いてみては?」とアドバイスされました。
母と一緒にセンターに行って、例えばどういう施設があるのか、手続きはどうするのか、といったことをゼロから教えてもらいました。
そして、地域包括支援センターの担当の方が「もっと具体的な話がわかる方がいいですよね」といって、山梨老人ホーム紹介センターの方を呼んでくださったんです。
その後「見学もしてみますか?」ということになり、母の状況に合う施設に連れていってもらったんです。
「見学に行ってすぐに入居するというわけでなく、どういうところか見てみようよ」という感じで母に説明しました。
■山梨老人ホーム紹介センターを利用されてよかった点はどのようなことがありますか?
担当の方が、母に合う施設を選んで、見学に連れていってくれたことです。
施設見学にも付き添ってくださったので、施設の方の話もわかりやすかったですし、案内もしていただけたので本当に助かりました。
何もわからない状態だったので…。
例えば施設にはどんな職種の人がいるのか、といったことも全部細かく教えていただけたので、それが施設を選ぶ上で参考にもなりました。
母は自立していたので「自立した人が入る施設」にも見学に行ったのですが、その施設は介護が必要になったらまた別の施設へ移らなければならないそうで…。
今入居している施設は、自立の状態で入れて、介護が必要になっても別の施設に移らなくていいんですよ。
母の状況やわたしの希望を考えて、山梨老人ホーム紹介センターの担当の方が施設を紹介してくださったんですよ。そこがよかったですね。
■入居後の生活はどうですか?
「ずっと実家に長くいて、次に施設暮らし」となると、とまどうかなと思うんです。
母の場合は、県外の実家にずっと長くいて、そこからわたしが母を山梨に呼んでアパートでひとり暮らしをして、次に今の施設、というふうに段階を踏んだのでよかったんじゃないかなと思っています。
入居するときも「食事付きのマンションみたいなものだよ」と母に説明しました。
実際に個室で、鍵もかかりますし。 施設の方も「必要なときは呼んでくれたら行くけど、そうでなければ部屋にこもっていてもいいですよ」と言ってくださいました。
なにかあれば施設の方に聞いたら親切に答えてくれますし、介護が必要になったら対応してもらえるというのが大きいですね。
■改善されたことやよかったことはありますか?
毎日母のところへ行かなくてよくなったところです。
それが1番ですね。
ただ、少なくとも週1回は施設から母を連れ出して、おいしいものを食べたり、買い物に行ったりしています。
母もそれを楽しみにしてくれていますので。
施設に入る前、母のところへ毎日通っていたのは義務的な感じで仕方なく行っている部分もあったんですよ。
おそらく、母に対する態度もあまりよくなかったときもあったと思います。わたしがめんどうくさく思っちゃって。
でも、今はちょっと母に優しくできるようになったかなぁ、とそれもよかったなと思いますね。
ただ母が1度だけ「施設より自宅の方がよかったな」って言ったことはありますね。
やはり周りにいつも誰かがいる半集団生活ですから。
施設の方はよくしてくださっているので不満がある、というよりも、わからないことがあったときに不安になってしまうようですね。
今はまだ入居して数か月ですから。
住む日が増えると、慣れてきて大丈夫になると思います。このまま、施設の方に頼って穏やかに暮らしていってほしいですね。